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日本中央税理士法人/株式会社日本中央研修会のダントツ不動産ニュース

Vol.2 (2004/2/17)

バブルの不動産はこうやって売りましょう!


1.売却損が相殺できない?

昨年12月に発表された平成16年度の税制改正大綱を見ると、個人が不動産(一定の要件を満たした自宅等を除く)を売却して売却損が出た場合の取り扱いが下記のように改正される見込みです。

改正前 改正後
売却損は他の給与や不動産収入等と相殺されて、相殺しきれない場合は翌年以後3年間繰り越せる。 売却損は不動産の売却益とのみ相殺でき、他の給与や不動産収入とは相殺できない。また、繰越しもできない。

この取り扱い自体は平成16年1月1日以降の譲渡分からとなる予定ですが、まだ法案が国会を通過していませんので、100%確定ではありません。

2.含み損のある不動産を売却すると

では、含み損のある不動産を売却して売却損が出た場合、改正後の税制だとどうなるのでしょう。同一年に不動産の売却益が無ければ、単純にその売却損は切り捨てになるだけなのです。

改正前の税制なら不動産の売却損を出した場合、給与に関して毎月、源泉された源泉所得税が還付され、その年に関する所得税は0になり、翌年の住民税もほとんど0になります。さらに、繰り越した額がある場合には、金額次第ですが、翌年以後3年間は所得税、住民税が0、または、少額になります。

これができなくなるのですから、含み損で塩漬けになっている上場株式同様、税制がカベになって売りたくても売る意志決定ができない不動産がでてくるはずです。

3.それでも、売却損を相殺する方法

父親が昔からの土地を所有し、息子がバブルの時の含み損の不動産を所有しているとします。

通常、父親から息子が不動産を引き継ぐのは相続のときです。息子は相続税の納税のために土地を売却します。そういうタイミングなら息子に不動産の売却益が生じますので、バブルの不動産の売却損をぶつけることができます。

しかし、そうなると、相続時までは塩漬けになってしまうのでしょうか。確かに、相続なら不動産の名義を変えるタイミングを意図的に図ることはできません。しかし、贈与なら別です。いつでも贈与はできます。贈与して含み益を父親から息子に移転させ、同一年に売却するのです。

4.贈与はこうやる

ただ、通常の贈与では贈与税が多額になりますので、相続時精算課税制度を使って贈与します。父親の不動産の時価:1億円(=相続税評価額)、息子の不動産の含み損1億円とします。計算を簡単にするため不動産を取得した金額等は一切、加味しません。

贈与税
(1億円−2,500万)×20%=1,500万円ただし、この1,500万円は実際の相続発生時に精H?算されます。
譲渡税
{1億円(含み益)−1億円(含み損)}×20%※=0※平成16年1月1日以降の長期所有の不動産の売却益に対する税率は20%になる予定です。

贈与税を一旦は1,500万円納税しなければなりませんが、その代わりに納めなければならない2,000万円を納めずに済むのです。しかも、この1,500万円は相続時に精算されるので、実質的な持ち出しは無いのです。含み損を抱えて塩漬けになっている不動産があれば、こんな方法で売却してみてはいかがでしょうか。