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定期借地権の制度が改正されます

1.はじめに

定期借地権とは、借地の契約期間終了後に、地主さんに土地が返還される借地権をいいます。昔の借地権と違い、契約の更新ができません。そのため、契約期間終了後に確実に土地が戻ることが地主さんのメリットです。逆に、借主のメリットは土地を購入するよりも少ない資金で事業が始められる点です。このように双方にメリットがあるのに、問題点がありました。

2.問題点とは

それは、契約をする時に支払う一時金の取り扱いについてです。一時金には、契約終了時に返還する保証金と、返還不要の権利金があります。ここでは返還不要の一時金についてお話します。

定期借地権の設定に伴う一時金の額は高額になります。そうすると、もらった地主さんには一度に高額の税金がかかってしまいます。

逆に、借主側は、高額な一時金を支払っても、契約期間が終了するまでは全く経費にできませんでした。

これらが定期借地権の普及のカベだったのです。

3.改正される内容

改正の内容はこの一時金の取扱いに新しい考え方が追加される点です。追加なので、従来の一時金の取り扱いもそのまま残ります。

ただし、これからは定期借地権の設定に伴う一時金でも、契約書で「前払い地代」であることを明示等すれば、地主さん、借主の双方にメリットが出ます。

地主さんは高額な一時金をもらっても、それが「前払い地代」ならば、契約期間に応じて毎年の収益に計上します。そのため、一度に高額な税金を課されません。

逆に、借主も同様で、「前払い地代」ならば、期間に応じて、毎年の経費にできます。今までのように契約期間終了時まで経費にできない状況がなくなるのです。

 
改正前
改正後
地主さん
1度に課税される 毎年の課税に分散できる
借主
契約終了時まで経費にできない 毎年の経費にできる

4.具体例

<前提条件>

  • 地主さんは時価1億円の土地に定期借地権を設定
  • 借主は地主さんに50年分※の地代(1億円)を前払い

※事業用の定期借地権の契約は今まで20年が上限でしたが、この上限は撤廃される予定です。

1. 地主さんの取り扱い

契約時に1億円を一括でもらっても、1年分の地代のみが収益になります。その額は1億円÷50年=200万円です。そのため、税金の負担が少なくなります。

2. 借主側の取り扱い

1年分の地代の200万円が経費になります。仮に借主が法人であれば、税率が40%なので、200万円×40%=80万円が節税になります。

5.まとめ

今までは、一時金に対する税金の負担が重く、使わない土地を駐車場にしていた方も多いと思います。しかし、これからは少ない税金の負担で、多額の資金を手に入れることができます。借り入れをしなくても、手元にお金ができます。その資金で相続対策としての土地の有効活用、生命保険の加入等を検討してみてはいかがでしょうか。税負担が少ない分、従来ではできなかった相続対策ができるようになります 。


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