日本中央税理士法人/株式会社日本中央研修会
JCAホームJCAニュース>JCAニュース Vol.2

日本中央税理士法人/株式会社日本中央研修会のJCAニュース

Vol.2

時価会計とは!!


1. 時価会計の制度

クライアント先で、よく、質問されるのが、

「時価会計が導入された場合に、会社の決算は、どうなってしまうのでしょうか?」
「時価会計は、いつから導入されるのですか?導入時期は?適用範囲は?」

いろいろな情報が新聞紙面等を賑わすため、惑わされてしまう経営者が多いようです。答えは、時価会計は、既に、導入されています。正確に言いますと、

「上場会社には、一部、時価会計が導入されています。」

ということになります。どういうことなのでしょうか?簡単言えば、会計上だけ導入されたのであって、税務上は、導入されていません。(但し、申請した一部の金融機関だけは、税務上も時価会計が導入されています。)そして、時価会計といっても、いろいろあります。金銭債権及び有価証券の時価会計、負債(退職給付引当金等)の時価会計、固定資産の時価会計(減損会計等)が随時導入されています。例えば、「今年度から、強制的に財産を全て時価で評価だ」ということにはなりません。

また、会計と税務を別々に作成する必要がない非上場会社には、法律上では、時価会計とは殆ど、無縁です。(任意に適用するのは、問題ありません。)

2. 平成16年より減損会計

平成17年3月期から、「減損会計」が全面導入され、土地や工場などの固定資産の価値が著しく下がった場合に企業に損失処理を義務づけられます。

具体的には、土地と建物を一体とみなして現時点の資産価値を計算して、簿価との差額は土地と建物に割り振ります。簿価10億円の新築ビルを例にしますと、不景気で賃貸料が下がり、売却額を含む今後最長20年間のキャッシュフローの総額が簿価を下回った場合に、具体的な損失額を計算します。すなわち、このビルの将来のキャッシュフローから算出した現在の価格が4億円、現在の予想売却価格が3億円とすると、高い方の4億円を現在の回収可能価格と判断して、簿価との差額6億円を損失計上します。もちろん、法人税法上は、損金に算入させることは出来ません。

固定資産の含み損を実現させるためには、(1)他の第三者へ売却する(2)関連会社に売却する(3)SPCを利用してオフバランスを図る(4)組織再編税制の非適格再編を活用する、などです。

3. 中小にとっての時価会計

上記のとおり、上場会社にとっては、重要になった(強制的に適用される)時価会計は、中小企業には、全く関係ないのでしょうか?

もちろん、関係あります。例えば、単純に資金を銀行から調達しようと思っても、今までのように、不動産の担保価値だけで、銀行は判断しなくなっています。不動産に係るキャッシュフローを明示的に意識し、書類の提出を要求する金融機関も出ています。

事業計画書等を作成するときにも、時価会計を全く意識せずに作成すれば、金融機関及びベンチャーキャピタル等は、検討もしないと思います。これからは、固定資産の時代ではなく、キャッシュフローの時代なのです。