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Vol.3

少人数私募債を活用しよう!!


1.資金調達の多様化

現在、金融機関は資金の融資額等の査定が相当厳しくなってきています。特に、担保が無い会社に対しての貸付は、過去3年間の利益等が良くなければなりません。今後、新規に機械購入や研究による特許取得によってビジネスを発展させていく時には、金融機関よりもベンチャーキャピタルに増資を申し込むということも多くなりました。しかし、実際には利益が発生していなければ、ベンチャーキャピタルからの資本金注入も難しく、新規事業に対する資金調達が難しくなっています。そこで、借入金でもなく、資本金でもない、つまり、社債という方法での資金調達が考えられます。

2.社債の特徴

社債の性質は、利回り債券ということになります。つまり、ある一定の利回りによって、ある一定の期間が到達した時点で、元本を返済する形態になります。借入金と違い元本を毎月返済する必要はありません。また、資本金とは違い、議決権があるわけではないので、社債権者が会社経営に参加することもありません。あくまで、1つのプロジェクトのために資金を調達し、ある一定期間、利益が発生し、投資金額を回収した時点(もちろん予想するのですが。)で、元本返済を行うことになります。

3.メリット

  1. 発行者のメリット

    社債のメリットは、償還期限が到来するまで元本を満額利用できるという点です。借入金、社債、資本金、どのような形態で資金調達するかは、投資しようとしているものによって変わってきます。例えば、不動産を購入するのであれば、借入金が最適です。不動産は購入して、その時点から利益が発生するため、当該利益で借入金を返済していく方法が最適です。逆に、賃貸収入で最初から借入金が返済できないようでは、不動産を購入すべきではありません。一方、資本金に関しましては、あくまで返済する必要がないため、会社が存在する限り必要なものに投資する場合で、開業費、自社ビル等がそれにあたります。社債は、一定期間後に利益を稼ぐことが出来るものが適当です。例えば、研究開発や新製品製造のための機械購入等がこれに当たります。

  2. 引受者のメリット

    社債を引き受ける人のメリットは、銀行預金が低い中で、高い金利で資産を運用できるということと、銀行金利と同様に20%の源泉分離課税で課税関係が全て終了するということです。例えば、資本として投資した場合には、利回りとして配当金を受け取ります。1銘柄当たり1回の配当金額が25万円(年1回の場合は50万円)以上の場合には源泉分離課税を選択できず、総合課税になります。社債の場合には金利の多寡に関係なく一律源泉分離課税になります。

4.少人数私募債

社債は、以上のように大変使い勝手が良いものなのですが、多額で多人数にまで及びますと様々な規制が出てきます。したがって、未公開会社の場合には、少人数による私募債をお勧めします。少人数私募債の特徴は以下のようになります。以下の条件を満たせば、財務省への届出や告知義務が全て免除されます。

項目
内容
注意点
社債権者 6ヶ月以内に50名未満 何回も発行した場合は合計人数
1口の最低社債額 1口の最低社債額が「発行総額の50分の1」以上であること 同じ種類の社債は、最低券面額の整数倍の必要性あり
社債購入者 金融機関からは調達できない 投資顧問業者等も含む
担保 担保は必要なし 担保をつけるためには、信託会社との信託契約が必要
会社組織 私募債が発行できるのはあくまで株式会社 有限会社はできない
社債総額 1億円未満 1億以上では告知義務あり
社債管理会社 設立する必要なし