日本中央税理士法人/株式会社日本中央研修会
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Vol.5 (2003/2/28)

100%減資(資本金の減少)?


1.はじめに

実務的に資本を減少させる(以下「減資」という。)事例は多くありません。というのも、減資を行う会社といえば、一般的に経営が不振になり、事業縮小している会社と外部に対する印象が良くないと考える経営者が多いためと考えられます。従って、実務的には、欠損会社が債務超過を解消する一手段として、やむを得ず実行されているようです。

しかし、

  1. 会社の資金調達
  2. 合併・買収などのための支店、工場、関連会社の閉鎖・統廃合等のリストラの補助手段
  3. 事業承継の一環

として減資が積極的に活用するような戦略をとることが、今後重要になると考えられます。

2.減資の目的

減資を行うことによる目的は、以下の4点です。

  1. 債務超過の会社が債務超過を解消するために減資を行い、その後の配当が行えるようにします。
  2. 事業を縮小するために、財産を払い戻して減資を行います。
  3. 財務状態が悪化した会社が再建を図るために減資と増資を組み合わせて、財務状態を改善し、新たな出発を図ることが出来ます。
  4. 合併・株式交換の際に、合併比率・株式交換比率を調整するため、減資することがあります。

3.減資の方法

減資の種類は以下のように分けることが出来ます。

減資の方法
有償・無償の区分
発行済株式数
資本金
資本金のみ減資 無償 減少しない 減少する
株式の併合 無償 減少する 減少する
株式の消却(強制・任意) 買入消却(有償) 減少する 減少する
株式の消却(強制・任意) 無償消却(無償) 減少する 減少する
利益による株式消却 有償 減少する 減少しない

4.100%減資の活用法

額面株式が廃止されたことによって、今後は「資本金のみ減資」が主流になると考えられます。つまり、発行株式数も一切変わらす、税金も一切発生せずに、減資を実行できます。
そこで、下記のような方法が簡単に行えるようになりました。

  1. 100%減資
    多額の債務超過を抱えている会社の技術を見込んで買収したい旨を伝えてきている会社があります。買収会社の子会社化する方法を選択した場合、多額の債務超過のため、今後の資金調達や取引に不安を感じています。そこで100%の減資を行い、同時に第3者割当増資を行うことにより、債務超過を解消し、新しく資金注入を行い、会社を再出発させることが出来ます。
  2. 要件
    上記の減資を行うためには、3つの要件を満たす必要性があります。
    (1)債務超過会社であること。
    (2)任意消却の方法によるか、株主全員の同意を得た上での強制消却の方法によること。
    (3)100%減資と同時に増資が行われること。