日本中央税理士法人/株式会社日本中央研修会
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Vol.6 (2003/3/23)

金庫株と非上場株式の物納


1.概要

平成13年の商法改正により金庫株(自己株式)の取得が可能になり、取得の理由や取得可能株式数の制限も無くなりました。中小企業にとっての事業承継対策を考えた場合、非常に大きな効果をもたらすものです。

さらに平成14年、相続税法基本通達42−2により非上場株式の物納が収納される基準が明確になりました。

これらの方法をいかに組合せるかにより、中小企業の事業承継対策が違ってきます。

2.金庫株を取得した場合の税制

金庫株を取得した場合、現在の税制では、基本的には譲渡ではなく、みなし配当とされ、他の給与所得等と合算されて、総合課税を受けることになります。形式上は売却でも、税制上は配当金をもらったことと同様にみなされてしまうのです。

当然、事業承継に伴う相続の納税資金のための売却であれば、多額になることが多いので、通常の方法では所得税、住民税合わせたところでの最高税率で課税されてしまいます。

3.みなし配当を回避する方法

みなし配当を回避する方法として、例えば、下記のような方法が考えられます。

  1. 別の関係会社が購入する(その1)

    別の関係会社が購入する(その1)

    B社株式をA社が購入する方法との組合せも可能です。

  2. 会社分割してから購入する

    会社分割してから購入する

1社しか無い場合には、会社分割して上記・と同じ方法を採用することもできます。

なお、子会社が親会社の株式を長期的に保有することは商法上禁止ですので、a社がA社の子会社になる会社分割の方法は採用できません。

4.物納との組合せ

非上場株式であっても、金銭で納付することが延納によっても困難な場合は、直近2期の税引後当期利益がマイナスでないこと等の要件を満たした会社であれば、物納可能です。ただし、物納後に買戻す者が必要です。この場合には物納後に発行会社が買い戻せば問題ありません。

また、相続財産4億(預金2億、非上場株2億)の場合、配偶者は預金2億を相続して相続税0(配偶者が1/2相続した場合は納税0)、相続人は株を相続して、金銭納付困難だが、納税ありという遺産分割を意図的にすれば、物納スキームが可能になります。

5.買取資金をいかに準備するか

ただし、資金がなければ、金庫株の買取自体ができません。法人契約の生命保険等を活用し、会社に資金を留保することが重要です。生命保険を利用するのであれば、損金性の低い商品を活用すべきです。定期保険等であると、保険金に対して課税され、買取資金が目減りするからです。