日本中央税理士法人/株式会社日本中央研修会
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Vol.7 (2003/4/30)

業績連動型種類株式を導入しよう!


1.はじめに

商法改正により、議決権制限株式を発行できるようになりました。議決権制限株式とは、全く議決権を有しない株式や決議事項の一部にのみ議決権を有する株式のことです。つまり、特定の事業のみに議決権を有する株式を発行できるのです。また、今までは発行済株式総数の3分の1まで種類株式を発行できましたが、商法改正により、発行済株式総数の2分の1まで種類株式を発行できるようになり、発行会社の選択の幅が広がりました。また、配当優先株式も上限の確定配当金額を定める必要はなく、算定基準の要綱を定款に記しておくだけでよくなり、発行し易くなりました。

2.従業員持株会の改革

議決制限と配当優先を活用して、従業員持株会の創設又は改革をしましょう。

従業員持株会の改革

現在、会社は、A事業だけでなく、B事業の業績によって、会社全体の利益が決定し、従業員への給料や配当金を考えますので、X氏の給料や配当金はB事業の業績に影響されます。確かに、給料に関しましては、業績連動型の会社も多くなってきていることも事実です。上記の例でもX氏とZ氏では、給料に格差があります。但し、給料は、完全に事業に関連するものではなく、X氏自身の評価が反映する部分も大きいと考えられます。つまり、A事業で働くY氏と比べて高くなっているのは、X氏のA事業での評価が高いからだと考えられます。

では、このような給料と配当金の配分方法だけで、X氏は会社全体に対して、A事業に対して、貢献しようとする気持ちが高まるでしょうか?彼は、あくまで、A事業のY氏と比べられているに過ぎず、別事業のZ氏の給料との格差は偶然に過ぎません。これでは、せっかくX氏に能力があり、かつ給料も高くしているのに、彼が会社全体のため、A事業のために貢献しているという達成感を持つことができません。

そこで、従業員持株会の株式を全て、自己の事業にのみ議決権がある株式で、それに配当制限も加えた、業績連動型種類株式(トラッキングストック)の発行をします。これにより、X氏が保有する株式は、A事業に対してのみ発言力がある代わりに、A事業の業績によって、配当金額が決定し、X氏のA事業に対する貢献度がアップすると考えられます。つまり、X氏は自己の評価だけでなく、会社内でのA事業の業績によっても配分金額が変わってくることになります。

3.種類株式一覧

無議決権
議決権制限
完全議決権
優先配当
○(トラッキングストック)
普通配当
劣後配当

優先配当株式でなくとも無議決権株式や議決権制限株式を発行できます。

トラッキングストックは社内だけでなく、社外の提携先企業や投資家にも発行できます。今後は、種類株式を発行し、弾力的な資金調達の提案を外部投資家にしていきましょう。