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Vol.8 (2003/5/16)

今年が期限!!買換えによる相続対策


1.買換えによる相続対策とは

不動産の買換えによる相続対策とは、郊外にある収益性の低い貸地、駐車場等を売却し、三大都市圏等にある収益性の高い不動産(収益物件)に買い換えて、相続財産額の圧縮と納税資金の確保のための財産構成のバランスを取る方法です。

また、買換えの特例により、売却益に対して課税される譲渡税を圧縮することができます。

2.具体的計算

大宮市に駐車場を数ヶ所(相続税評価額3億円)を持っているAさんは相続対策のために、この駐車場を3億円で売却し、都内に収益物件を1棟(土地2億円、建物1億円)を購入しました。

単純に相続税の税率が30%の場合で考えると次のようになります。

財産額
相続税
収益性
対策前
3億円
9,000万円
低い
対策後
2億円
6,000万円
高い

なぜ、このような計算になるかというと、対策後の不動産の評価が賃貸物件であるため、土地の評価が約80%である1億6,000万円になり、建物の評価が約42%である4,200万円になり、合計で約2億円の財産になるからです。

対策前は3億円×30%=9,000万円、対策後は2億円×30%=6,000万円の納税という訳です。この場合は税率を同じにしましたが、財産額の圧縮により、税率が下がる場合もあります。

さらに、収益性の低い駐車場経営のままでは、なかなか納税資金が貯まらなかったのが、対策後は都内にある収益物件ですから、納税資金の貯蓄ができ、納税をスムーズに行うための財産構成のバランスを取ることができるのです(全財産に占める不動産の割合が減り、預金の割合が増えるためです)。

3.来年以降はどうなる

この買換え制度を使った相続対策は今年いっぱいで終了する見込みです。来年以降の事業用資産の買換え特例は三大都市圏等にある不動産を売却し、郊外の不動産に買換えるもののみになる見込みです。

郊外物件に買換えた場合には、収益性が駐車場と同等の低いものへの買換えになり、相続対策の効果が非常に薄れてしまいます。もちろん、来年以降も郊外の駐車場を売って、都内の収益物件に買換えることはできますが、譲渡税圧縮のための買換えの特例が使えないため、売却した場合の譲渡税(所得税、住民税)が売却益の全額に対して26%かかってしまいます。

4.今年のうちにやるべきこと

現在、三大都市圏等への事業用資産の買換えを使った相続対策をお考えの方は待ったなしです。

買換物件の購入は原則として売却年の翌年でも構いませんが、売却は今年中でなければなりません。ここでいう売却とは実際の引渡しが未了でも、売買契約の効力が発生していればOKです(通常は契約日に発生します)。

したがって、最も遅くとも、平成15年12月31日付の売買契約が必要だということになります。
財産構成、納税資金のバランスを考え、売るものは売る、買うものは買うという決断が必要になります。