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Vol.9 (2003/6/17)

これでわかった!相続時精算課税制度


1.相続時精算課税制度とは

今年の税制改正で相続時精算課税制度が導入されました。この制度は原則として65歳以上の親から20歳以上の子への贈与に対して2,500万円の特別控除枠を設ける制度です。つまり、この制度を利用した生前贈与は一生涯を通じて2,500万円までなら贈与税は非課税になります。そして、2,500万円超の部分に対しては一律20%で贈与税がかかります。

その後、親の死亡時点で、親名義の財産と生前贈与財産とを合算して相続税を計算し、既に支払った贈与税(2,500万円を超えて20%で課税された税額)があるときは相続税からその贈与税を控除して、相続税>贈与税なら相続税を納付し、相続税<贈与税なら、還付になります。

2.従来の制度はどうなる

従来の贈与税の110万円の非課税枠はそのまま残りますし、平成14年以前の生前贈与により支払った贈与税も精算課税の対象にはなりません。

あくまでも精算課税制度は選択性なので、選ばなければ従来と何も変わりません。また、父からの贈与のみ精算課税制度を選択し、母からの贈与については選択しないことも可能です。

ただし、一旦、精算課税制度を選択したら元に戻ることはできず、その後の贈与は全て精算課税制度の対象になりますので注意が必要です。

3.具体的計算

1年目:父親から現金1,500万円の生前贈与
2年目:父親から現金3,000万円の生前贈与
相続時:父名義の財産1億円

1年目:贈与税は0です(2,500万円の枠の残りは1,000万円)。
2年目:(3,000万円−1,000万円)×20%=400万円の贈与税がかかります。
相続時:1億円+1,500万円+3,000万円=1億4,500万円に対して相続税がかかります。

この際の相続税が500万円なら既に支払った400万円を控除し、100万円の相続税の納付になるわけです。

4.相続税対策にはこう使う

駐車場等と5,000万円の預金を持っているならば、5,000万円の資金でアパートを建てるのがお得です。

預金5,000万円は相続税評価も5,000万円ですが、預金5,000万円でアパートを建てた場合の建物評価は約2,100万円になり、評価額を圧縮することができます。

また、2,100万円であれば、2,500万円の範囲内ですから、贈与税0で建物(=収益)を子供に贈与することができます。

ちなみに親がアパートを建てた土地の評価は貸家建付地ということで駐車場の評価の約80%になります。その後、建物のみを贈与しても、贈与時の賃借人と相続時の賃借人が同一なら、土地の評価は約80%のままです。ただ、それぞれの賃借人の方は入れ替わるので、一括借上げを採用します。そうすれば、建物所有者から賃借しているのは両時点とも一括借上げ会社ということになるので、贈与時の賃借人と相続時の賃借人が同一になり、土地の評価は約80%のままになります。

5.住宅を買うための資金の場合

子供が住宅を買うための資金贈与であれば、親が65歳未満でもこの制度の利用が可能ですし、特別控除額もプラス1,000万円で3,500万円までになります。利用されてみてはいかがでしょうか。