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Vol.18 (2003/10/6)

最も有効な不動産管理法人の作り方


1.不動産管理会社の種類

不動産オーナーが所得税と相続税の対策のために、不動産管理法人を設立することがあります。
具体的には、

(1)不動産の管理業務を受託する管理型
(2)一括借上げを受託する転貸型
(3)建物のみをオーナーから法人に名義変更する建物所有型

があります。
今回は、所得税と相続税の対策として最も効果の高い(3)の不動産所有型についてお伝えします。

2.どんな建物が効果的か

原則として、どんな建物を法人名義にすると効果が上がるでしょうか。それは、築年数のある程度経過した「相続税評価額>時価」である建物です。
築年数の浅い「相続税評価額<時価」である建物を法人名義にするとこのようになってしまいます。

前提条件は、建物の建築価額2億円、築5年、建物の相続税評価額8,400万円、建物の時価1億5,860万、この建物を含めた財産総額3億円とします。

どんな建物が効果的か

以上のようになり、逆に個人としての財産額がUPしてしまうのです。ですから、オーナーから法人へ名義変更する建物は「相続税評価額>時価」となっている建物でなければなりません。なお、時価として減価償却後の簿価を使うことが一般的です。

3.築年数の浅い建物の対処法は

築年数の浅い建物でも、現物出資という方法で法人を設立すれば、相続対策としての効果を充分に得ることができます。

通常、法人は資本金を金銭で設立しますが、金銭の代わりに建物という現物を使って法人を設立するのです。同じ条件で計算してみましょう。

築年数の浅い建物の対処法は

株式の評価が実際にいくらになるかは、法人の収益の状況、役員報酬でいくら配分するかにより変わりますが、通常、不動産管理法人は収益の大部分を役員報酬で支払うことが多いので、株式の評価は落とすことが可能です。

なお、上記の2億6,600万円は法人設立後3年を経過した時点のものとなります。法人設立後3年間は法人が取得した建物が相続税評価額で評価されず、実際の時価で評価されますので、オーナー個人の財産の評価減に関する効果は薄れます。そのため、移す時期とオーナーの年齢等を考慮し、リスクを考えなければなりません。

ただし、収益をオーナーではなく、親族に配分することが可能になる所得税対策の部分の効果は同じですので、実行する価値は充分にあります。

4.建物を法人名義にするリスク

建物を法人名義にすることは相続税、所得税対策の観点からすれば、確かに数字上の効果はありますが、遺産分割を考えた場合、建物は法人の財産、土地は個人の財産になり、遺産分割が複雑化します。

遺産分割に争いがなければ問題ありませんが、争う可能性がある場合には数字上のメリットがあっても、建物を法人名義に変更することはお薦めできませんので、別の対策が必要になってくることになります。