日本中央税理士法人/株式会社日本中央研修会
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日本中央税理士法人/株式会社日本中央研修会のJCAニュース

Vol.20 (2003/11/7)

売却損を出して所得税の還付を受けよう


1.売却するなら今年中

確定申告で含み損のあるゴルフ会員権や不動産を売却すると、給与収入等と相殺されて所得税の還付を受けることができます。ただ、来年の確定申告で還付を受けるためには今年中に売却する必要がありますが、注意して行わないと税務署から否認されてしまいます。それでは、どんな部分が注意すべきポイントなのでしょうか。

2.不動産の損出し

第三者に売却して損出しをするのであれば、価格が高いとか安いとか税務署に言われることは基本的にはありません。しかし、自宅等は第三者に売ることが難しい場合もあります。その場合は同族法人に売ることもありますが、その場合はいくらで売買するかが非常に重要です。なるべく多く損出しをするためには、できるだけ低い価格の方がいいですが、やりすぎは禁物です。なるべく低い金額で売買するにしても、不動産鑑定士の鑑定評価を使って金額を合理的に決めないと、税務署から否認されることになります。

3.ゴルフ会員権の損出し

ゴルフ会員権の場合、実際にゴルフ会員権の取引業者を通じて売却することが重要です。第三者に売却する場合は当然、取引業者を通すことになりますが、親族間や同族法人に売る場合でも、取引業者を通して、かつ、適正な金額で行うことが重要です。実際にお金のやり取りをしていないとか、契約書はあるが、名義変更していないとかだとゴルフ会員権の売却損が否認されることになるので注意が必要です。

また、ゴルフ会員権の場合、そのコースで今後もプレーしたいので、同族法人以外には売りたくないということもあります。そういう場合は、取引業者を通じて、一旦、第三者に売却し、すぐ同族法人が取引業者から買えば、損出しはでき、かつ、ゴルフ会員権も所有し続けられることになります。

4.月給100万円の社長の場合

毎月の役員報酬が100万円で扶養親族が奥さんと子供1人という社長の場合、毎月の源泉所得税が78,830円で、1年間に945,960円が源泉徴収されています。この社長がゴルフ会員権を売却して2,000万円の売却損を出しました。そうすると、1年間に源泉徴収された945,960円の全額が還付されることになります。

5.株の売却損は相殺できない

上場株式も含み損を抱えた資産の代表例の1つです。しかし、株式の売却損は株式の売却益としか相殺できず、給与や不動産収入とは相殺できないため、損出しをしても所得税が返ってくることはありません。

6.売るタイミングを図ろう

上記4の年収1,200万円の社長は給与所得控除後の税金の対象となる金額が970万円です。970万円<2,000万円ですので、差額の1,030万円の損は切り捨てになってしまい、もったいないです。年収がもっと高い2,280万円(月収190万円)の社長の場合、給与所得控除後の税金の対象となる金額はほぼ2,000万円ですので、損を有効に使うことができます。ですから、会社の業績が良く、役員報酬が高額なときや、先祖代々の土地を売って売却益が出たとき等の収入が大きいときに損出しをすると損が切り捨てにならず、有効に使うことができます。ただし、個人事業主や不動産オーナーで青色申告をしてしる方は損の繰越しが3年間できるので、この3年間で使い切れればよいでしょう。