日本中央税理士法人/株式会社日本中央研修会
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日本中央税理士法人/株式会社日本中央研修会のJCAニュース

Vol.21 (2003/11/26)

30万円未満の資産は経費にできる?


1.新制度の概要

中小企業が、平成15年4月1日以降に購入した30万円未満の減価償却資産は原則として一度に経費にすることができます。つまり、パソコンでも中古自動車でも30万円未満であれば、資産計上する必要はなく、経費にできるのです。この規定は現時点では平成18年3月31日までの3年間限りとなっていますが、その後、延長されるかどうかはわかりません。もちろん、一時の経費にせず、資産計上し、通常通り、減価償却することも可能です。

2.適用対象となる中小企業者等

それでは、この規定の対象となる中小企業とはどんな会社でしょうか。それは原則として青色申告法人で、資本金が1億円以下の法人となっています。中小企業のみに認められた特例なのです。

3.少額減価償却資産の取扱いの比較

この制度が新設されたことにより、減価償却資産の取扱いが以下のようになります。

【改正前と改正後の比較】
取得価格 改正前 改正後
10万未満 損金算入 損金算入
10万以上20万未満 3年で償却
20万以上30万未満 資産計上
30万以上 資産計上

(注)10万円以上20万円未満の減価償却資産について、引き続き3年で償却する方法を選択することも可能です。

4.償却資産税の取扱い

この規定を適用するに当たり、注意しなければならない事項として減価償却資産に対する償却資産税の取扱いがあります。償却資産税とは建物付属設備や器具備品や機械装置にかかる固定資産税のようなものです。

償却資産税については、10万円未満の資産、又は10万円以上20万円未満で3年間での償却を適用した資産については課税されないこととなっています。

この点については、変更されていません。つまり、一時の経費にすることが認められる30万円未満の減価償却資産であっても、10万円以上20万円未満で3年間での償却を適用した資産以外については償却資産税はかかってきてしまうことになるわけです。したがって、経費として処理された資産であっても、30万円未満の資産については固定資産台帳による管理が必要になります。

5.決算を行う時の注意点

この制度の適用を受けるには、税務署に提出する申告書に対象となった30万円未満の減価償却資産の取得価額についての明細書の添付が必要となります。

明細書の添付がない場合には、それらの固定資産の明細を会社で保存し、その合計金額を申告書に記載すれば問題ありません。このことからも固定資産台帳を作成する必要性が出てくるわけです。

6.明細書の保管

上記5で書いたように、この規定を適用した場合には30万円未満の減価償却資産の明細書は必ず保管するようにして下さい。申告が終わった後に税務調査が行われ、その明細書がなかった場合には、30万円未満の資産を一時の経費にしたことが否認される可能性があります。否認されると、「資産計上し、通常の法定耐用年数で減価償却してください」と言われてしまいます。