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Vol.28 (2004/3/19)

相続が発生しても納税資金は大丈夫?


1.相続人の税金対策

JCAニュースVOL.26でお伝えしたように中小企業にとって事業承継を前提とした株主が分散している問題は大変重要な問題です。さて、今回は平成16年度の税制改正により相続人等が取得した非上場株式を発行会社に譲渡した場合における譲渡税のポイントについて触れていきます。

2.配当金課税から譲渡所得課税へ

相続等により取得した株式を発行会社に売った場合、従来は原則として配当金として課税されました。しかし、今回の改正により相続人等が相続発生日から3年10ヶ月以内に譲渡した場合は譲渡所得として取り扱われます(配当金として課税されると他の収入と併せて課税されるので、最高で所得税、住民税が50%の税率になります)。さらに売却した場合の税率が26%(所得税20%、住民税6%)から20%(所得税15%、住民税5%)に軽減されました。譲渡所得として取り扱われることは税率が低くなる(最高50%→20%)だけでなく、次の3のような特典もあります。

3.納付した相続税は譲渡代金から引ける

相続等により取得した株式を相続発生日から3年10ヶ月以内に発行会社に売却した場合、納付した相続税の一部を譲渡代金から引ける特典があります。そのため、20%の税率をかける前の譲渡所得の金額が小さくなるので税金の負担が軽減されることとなります。なお、譲渡代金から引ける相続税は次の「(A)×(B)÷(C)」の算式により計算します。

(A):相続人が納付した相続税額
(B):譲渡した株式の相続税評価額
(C):相続人が相続した財産の合計額

4.非上場株式の評価の軽減額の拡充

また、非上場株式を相続したときの株式の相続税評価額の10%が軽減される措置がありましたが、その上限金額が以下のように引き上げられます(平成16年1月1日以後から適用されます)。

  評価額 軽減割合 軽減額
改正前 3億円 10% 3千万円
改正後 10億円 1億円

このように今回の改正では、相続により取得した株式を発行会社に譲渡した場合の税金が軽減されるだけでなく、相続税評価額の軽減措置も盛り込まれた改正となっております。ですので、実際の相続発生時の納税はどのようにするのが一番得なのか様々な角度から検証することが非常に重要なポイントになります。