日本中央税理士法人/株式会社日本中央研修会
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Vol.33 (2004/6/7)

なぜ中小企業では人が育たないのか?


1.社長の右腕が育たない

「なかなかNO.2が育たなくてね」、「俺のコピーのような人間が育てば楽になるんだけどね」

こんなご相談を顧問先の社長から頂くことがよくあります。中小企業は大企業よりも社員1人に対する依存度が大きいため、キーマンが育つのと育たないのでは組織としての発展が大きく違ってきます。

こういった人事問題を解決しないまま放置する場合が非常に多く見受けられます。中小企業で社員を育てるためのポイントとはどのような点なのでしょうか。

2.ある企業の給与制度

上場会社の(株)ミスミという金型用部品を作っている会社があります。社内ベンチャー制度と非常にユニークな給与制度が非常にマスコミに注目された時期もありました。社内ベンチャーを立ち上げ、成功すれば非常に高額な賞与が支給され、1億円プレーヤーのサラリーマンも排出した時期があります。しかし、この制度は今となっては全く様変わりしてしまったそうです。

確かに、個人の売上の積み上げが会社の業績になります。しかし、会社がどうであれ、個人の売上が上がれば、自分の賞与に反映されるから自分が売り上がれば、他人はどうでもいい、と考えた人もいたそうです。

3.企業の成長度と社員の役割

事業を始めることは、会社を立ち上げ(社内ベンチャーも含む)、市場に切り込み、市場を作り、社員がひとつの目標の下に頑張り、高いモチベーションで企業を大きく育てていくことです。しかし、その市場の中で知名度が上がり、会社の名前で仕事が受注できるようになった段階においても、そのままで良いのでしょうか?その段階では個人個人の努力の積み上げよりは、いかに組織で戦略的に動くかということが重要になります。

その市場が導入期、成長期、成熟期、衰退期のいずれに属しているのかをよく見極め、組織としていかに行動するのかを検討しなければならないということです。

そのためには、企業の中で社員各人の役割、部門の役割がきちんと共有されていなければなりません。「役割の共有?」、それは企業の理念や目標を明確に打ち出し、社員一人一人に正確に落とし込みをすることです。会社、部門のミッション(使命)を各人が共有することで社員がそれぞれの役割と意義を感じて「自ら行動する!」、「チームの動きにより相乗効果が発揮され、売上増大!」、このようになったら鬼に金棒です。

4.どうすれば人は育つか

中小企業のオーナーは1代で築き上げた叩き上げの社長が多くいらっしゃいます。そういった方は自分の意志を貫き、成功した方々がほとんどです。

そんな社長の場合、思い切って自分の仕事の一部を部下に任せてみてはどうでしょう。社員がモチベーションのアップを最も感じる時は「仕事を任せられている瞬間」との意見がほとんどです。自分のコピーを作りたいと口にしながら、育てるための仕事をさせず、従業員としてこなす仕事を任せていませんか。不安いっぱいかもしれませんが自分の仕事の一部を任せましょう。非常に勇気がいることと思いますし、歯がゆい部分もあるかもしれませんが、これを超えなければ新たな発展に繋がりません。会社の主役は社員です。失敗を恐れず、任せてみてください。仕事が人を育ててくれ、人が組織を発展させてくれるはずです。