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Vol.35 (2004/7/23)

納めた相続税の還付を受ける方法


1.納めた相続税は還付されるのか

相続税は納付後でも、それが過大であった場合、還付の申請により還付を受けることができます。

相続税の申告書の提出期限は相続発生から10ヵ月後で、原則としてその提出期限から5年以内なら相続税の還付の申請ができます。ただし、提出期限から1年以内に申請するのと1年超5年以内に申請するのとでは以下のように意味が違います。

申告期限から1年以内 相続人に認められた権利として還付の申請をすることができます。
申告期限から1年を超えて5年以内 相続人の側の権利は無いが、税務署にお願いして還付の申請をすることができます。

1年以内の申請であれば、相続人の権利ですので時間的にも早く進みますが、1年を超えた場合は、1年以内の申請より時間がかかることも多いようです。

2.なぜそうなるのか

なぜ過大納付が起こってしまうのでしょうか。それは土地の評価を間違えることが多いからです。相続税の申告書を作成する時に使う財産評価の通達の本を見ると約800ページのうち約300ページは土地の評価について書かれています。土地の評価は複雑なので、慣れていないとミスしやすいのです。

昔、税務署の資産税業務に10年間携わった税理士と話をした時にこんなことをおっしゃっていました。

「相続税の申告書は作り方が粗いものが多いよね。ざっと見て3割の人は過大納付、もう3割の人は検討できる事項があるんじゃないかなあ」と。

つまり、10人の方が亡くなって10の申告書が提出された場合、きちんと作成できているのは4割程度しか無い可能性があるということなのです。

3.どんな項目がミスしやすいのか

土地の評価の中でも評価の減額を見落としやすい項目はたくさんありますが、1例を挙げてみます。

  • 500平米以上の土地等、広い土地
  • 都市計画道路予定地がかかっている土地
  • セットバックが必要な土地
  • 高圧線が通っている下の土地
  • 異なる容積率にまたがっている土地
  • 間口が狭い土地
  • がけ地が含まれている土地

4.具体的計算

具体的な事例で考えてみましょう。

(前提条件)

  • 相続人・・・子供2人
  • 財産の内訳・・・A土地(3億円)、その他の不動産及び預金(7億円)
  • 納付した相続税額・・・3億7,100万円
A土地の評価が2億1,000万円なら

支払うべきだった相続税は3億2,600万円なので、4,500万円の相続税が還付されます。

5.税制改正で拡充された評価減

今年の税制改正で上記3の広い土地である場合の減額できる金額が拡充されました。今まではおおよそ20〜30%の減額だったものが、50%前後の減額ができるようになりました。この新しい評価方法は今年の1/1以降の相続等に適用されます。

50%程度までは減額できなくとも、過去の相続税の申告が本当に正しかったのか不安な方は一度、資産税に詳しい専門家に見直してもらうといいと思います。見直す分には損はありません。返ってくる予定の無かったお金が返ってくるのです。あなたならどう使いますか。次の相続対策に有効に使うことも非常に有効ですので、検討する価値は十分にあります。