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Vol.36 (2004/8/20)

値引きと販売数量の怖さ!!


1.価格競争に巻き込まれると

商品の値段の相場がドンドン安くなり、価格競争が全てになっているような業界もあります。しかし、値引くことは頭でイメージするよりも怖いことです。

例えば、今までの値段より30%の値引きをしたら、販売数量をどれだけ増やせばいいですか。プラス30%の販売数量では値引き前と同じ利益は確保できません。値引きと販売数量を増加させる関係を間違えると大変なことになってしまうのです。

2. 原価率60%の商品を20%値引きすると

原価60円で定価100円の商品を100個売れば、10,000円の売上で4,000円の利益です。では、20%値引くとどうでしょう。10,000円÷80円=125個でプラス25%売らなければ、売上が同額になりません。

さらに、1個当たりの利益は20円ですので、同額の利益を確保のためには4,000円÷20円=200個になります。つまり、値引き前の2倍の個数を売って始めて同額の利益になるのです。原価率60%の商品を20%値引いた場合、20%の販売個数のアップでは全く値引き前の利益には追いつかないのです。

3. なぜ、そうなるのか

理由は簡単です。20%値引いたら定価は0.8になり、販売個数を20%アップさせたら個数は1.2になります。これを計算してみると、0.8×1.2=0.96にしかならないのです。

まず、売上が足りません。さらに、原価まで考えると、圧倒的に利益が確保できなくなるのです。値引くということは非常に怖い行為であることを認識して下さい。また、値引率と原価率の関係を表にすると以下のようになります。

例えば、飲食業で原価率40%のお店が値引きを20%行なった場合には、今までの1.5倍の人数のお客様を集客しないと、値引き前と同じ額の利益が確保できないのです。

<< 定価で100個売った場合を基準とすると >>

原価率(変動費率)
40%
50%
60%
70%
値引率
10%
120個
125個
134個
150個
20%
150個
167個
200個
300個
30%
200個
250個
400個
40%
300個
500個
50%
500個
利益率と同じ率を割り引いたため、利益0→いくら売っても利益0、固定費分がマイナス

4. 値引きをするなら

もちろん、値引きをして圧倒的に販売数量を伸ばし、利益も増加させる方法もあります。

ただし、「値引率=販売個数の増加率」では値引き前と同じ利益を確保できないので、利益を確保できる個数を事前に検証しなければなりません。

値引いた場合、増やすべき売上個数はイメージよりも圧倒的に多いことに注意しましょう。

今回のテーマは現在執筆中で年内に明日香出版社から出版予定の「つくり出す決算書(仮題)」の1部を改定したものです。
決算書からどういう対策が考えられるかに着目した内容になっておりますので、どうぞご期待下さい。