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Vol.47 (2005/12/1)

65歳までの雇用を延長しないと!


1.60歳以上の人を再雇用?

平成18年4月1日より「高年齢者等の雇用の安定に関する法律」の改正があります。

「えっ?一体この法律は何?」とお考えでしょう。簡単にいうと、「企業が60歳以上の労働者に働く場所を与えてくださいね!」ということです。そして「65歳までの間、仕事をする環境を与えてください」ということが法律で定められました。

なぜ、このような事を法律としたのかというと、老齢年金の支給の時期と関係があります。老齢厚生年金の支給開始の時期は、平成17年度から62歳からの支給となります。そして今後段階的に支給開始の年齢が遅くなります。現在の「60歳定年」でリタイアすると年金がもらえない、かつ、職にも就けないという「空白」の期間が発生してしまいます。その空白期間を何とか埋めようとして講じられて手段なのです。

2.どんな方法で65歳までの雇用を行うのか?

60歳から65歳までの人の雇用をする方法はどんな方法でしょうか?

実は、この法律の改正について「65歳まで定年を延長しなくてはならない!」と思っている人が圧倒的に多いのです。マスコミの報道が「定年延長」というキーワードにとびついて、この言葉だけがクローズアップされ過ぎています。経済界からは「65歳定年」について、猛反発もありました。そのような動きが大きく報道され、法律の改正そのものについて正確な報道がなされなかったのが原因かもしれません。

法律の改正は、3つの選択肢から選んで決めることとなっています。

それは1.定年年齢の引上げ、2.継続雇用制度の導入、3.定年制の廃止です。この3つから制度を選択することとなっています。

3.選択肢を検討しよう!

  1. 定年年齢の引上げ:この選択肢は定年年齢を60歳から引上げるということです。定年年齢を段階的に引き上げて、平成25年の4月から65歳としなさいということが定められています。この制度導入の注意としては、人件費の高騰や勤続の延長により退職金額の加算が必要になってきます。
  2. 継続雇用制度の導入:この制度はさらに2つに分かれます。勤務延長制度と再雇用制度です。勤務延長制度は定年年齢に達した人を退職させずに引き続き雇用する制度です。そして、再雇用制度とは定年年齢に達した人をいったん退職させた後に再び雇用する制度です。導入の注意点は就業規則の整備や労使協定による選考基準の設定を行わなければなりません(原則は希望者全員を再雇用しなくてはいけませんが)。
  3. 定年制の廃止:この制度は労働契約の終わりがなくなることを意味しています。つまり、労働者が一定の年齢に達したことで退職させることができなくなります。もし、辞めさせる場合には「解雇」という手段をとらなければなりません。そして、就業規則にそのことを明示しないといけません。そして人件費の増加や労働者が固定化することで、企業の活動が停滞するといった問題が発生します。

4.来年の4月以降、60歳で退職させたらどうなるの?

法律が求めているのは、定年の引上げや廃止、継続雇用制度の導入です。つまり、いずれかの「措置を講ずること」であって、個人個人の労働者を65歳まで雇用することを義務付けたものではありません。よって、60歳定年の企業がいずれかの措置を行わないまま定年で退職者を出しても退職そのものが無効にはなりません。ただし、何らかの措置をとっていないということで、ハローワークを通じて実態調査が行われます。そして助言、指導、勧告が実施される可能性があります。

今月のまとめ