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Vol.48 (2006/1/26)

同族会社は大増税になる??


1.税制改正が発表されました

昨年の12月に平成18年度の税制改正の概要が発表されました。その中に同族会社にとっては大増税になる改正内容が含まれていました。では、これはどんな内容で、どのような対策をすればいいのでしょうか。

2.増税になる改正の内容

まず、この対象になる同族会社は下記の要件を両方とも満たした同族会社です。

この要件を共に満たした場合、その会社を主宰している役員に対して支給する給与の給与所得控除額は法人税の計算上、経費にさせないということなのです。

例えば、社長の年収が700万円なら、給与所得控除額は190万円になります。だから、社長個人は「700万円−190万円=510万円」に対して税金がかかっています。

この190万円を法人税の計算上、経費にさせないということなのです。つまり、所得税額は変わらないが、法人税が増税になるということなのです。

例えば、下記のケースで考えてみましょう。

ケース1
  • 法人の所得30万円
  • 社長(夫)の年収700万円
  • 専務(妻)の年収100万円

この場合、法人税の対象になる金額は下記のようになります。

改正前 改正後
30万円 30万円+700万円の給与所得控除額190万円
+100万円の給与所得控除額65万円
285万円

さらに、ケース2をみてみましょう。

ケース2
  • 法人の所得300万円
  • 社長(夫)の年収1,500万円
  • 専務(妻)の年収1,000万円

この場合、法人税の対象になる金額は下記のようになります。

改正前 改正後
300万円 300万円+1,500万円の給与所得控除額245万円
+1,000万円の給与所得控除額220万円
765万円

いずれのケースも大きく増税されてしまいます。それでは、何かいい対策はないのでしょうか。

3.改正後も増税にならない同族会社とは

ただし、改正後も増税にならない同族会社があります。それは、下記のAまたはBのいずれかの同族会社です。

A
法人の所得+会社を主宰している役員の給与≦800万円
B
・800万円<法人の所得+会社を主宰している役員の給与≦3,000万円
かつ
・会社を主宰している役員の給与≦(法人の所得+会社を主宰している役員の給与)×50%

(例)法人の所得600万円、社長の給与500万円の場合
・800万円<600万円+500万円=1,100万円 ≦3,000万円
・500万円≦1,100万円×50%

(注)「法人の所得+会社を主宰している役員の給与」は直近3期の平均額のことをいいます。

4.現在、考えられる対策とは

まだ、改正された法案が国会を通過しておりません。また、細かな法令、通達などもまだこれから発表される状況です。そのため、具体的、かつ、最終的な対策はまだ考えることができません。

しかし、発表済みの内容から下記の対策が推察されます。

5.この改正はいつから適用になるか

この改正は平成18年4月1日以降に開始する事業年度から適用されます。そのため、1年が事業年度の法人で考えれば、平成18年4月1日〜平成19年3月31日が最初の対象事業年度になります。まだ、時間があるのでこれから発表される法令、通達を踏まえて十分な対策をする必要があります。